サイバーセキュリティにアタック・サーフェース・マネジメントがなぜ重要なのか
- Pipeline Co. Ltd.
- 9月15日
- 読了時間: 5分
サイバーセキュリティにアタック・サーフェース・マネジメント(ASM)が重要なわけ

■ASMとは
アタック・サーフェース・マネジメント(ASM)は、組織のサイバーセキュリティのアタック・サーフェース、つまり攻撃を受ける可能性があるポイントや面を特定、評価、管理するプロセスを指します。アタック・サーフェースには、ネットワーク、サーバー、エンドポイント、アプリケーション、データ、ユーザーなど、多岐にわたる要素が含まれます。ASMの主な目的は、このアタック・サーフェースを最小限に保ち、潜在的なリスクを低減することです。
■ASMツールの果たす役割
ASMツールがどのような役割を持っているのかを知ると、ASMがいかに重要であるのかが見えてきます。
ASMツールは、組織のIT環境におけるセキュリティ上のリスクや脆弱性を特定した後、関連する情報を報告やアラートとして提供します。これにより、組織は迅速に対応し、潜在的な脅威から自身を守ることができます。以下は、ASMツールが報告とアラートを行う主な方法と特徴です
詳細な報告
ASMツールは、スキャンや監視の結果を詳細な報告として提供します。
この報告には、特定された脆弱性やリスク、影響度、修正の推奨などの情報が含まれます。
組織はこれらの報告をもとに、対策の計画や実施、リスクの管理を行うことができます。
リアルタイムのアラート
重大な脅威や変更、新しい脆弱性が検出された場合、ASMツールはリアルタイムでのアラート通知を提供します。
これにより、組織は迅速に問題を認識し、対応することができます。
カスタマイズ可能な通知
多くのASMツールは、アラートの条件や閾値、通知の形式や方法をカスタマイズすることができます。
これにより、組織は自らのニーズやポリシーに合わせて、通知の設定を最適化することができます。
統合と連携
ASMツールは、他のセキュリティツールやIT管理ツール、通知プラットフォーム(例: Slack, Microsoft Teams, メールサーバーなど)との統合や連携が可能です。
これにより、組織は通知やアラートを一元的に管理し、効果的な対応を行うことができます。
■ASMツールは他のツールと統合&自動化して管理される
ASMツールの統合と自動化は、そのツールの効率と効果性を向上させる鍵となります。組織のIT環境は複雑であり、さまざまなツールやソリューションとの連携が必要です。ASMツールは以下の方法で他のツールと統合し、自動化を実現します:
API連携
多くのASMツールは、オープンAPIを提供しています。これにより、他のセキュリティツールやIT管理ツールとのデータのやり取りや連携が可能となります。
プラグインやアドオン
一部のASMツールは、特定のセキュリティツールやプラットフォーム向けのプラグインやアドオンを提供しています。これにより、統合やデータの同期を容易に行うことができます。
自動応答
ASMツールが脆弱性やリスクを検出した場合、それに基づいて自動的なアクションをトリガーすることができます。例えば、脆弱性が検出された場合、パッチ管理ツールを自動的に起動して修正を適用することができます。
ワークフローの自動化
ASMツールは、特定のイベントや条件に基づいて、自動的なワークフローを実行することができます。これにより、手動の介入を最小限に抑えながら、効果的な対応や管理を行うことができます。
統合ダッシュボード
ASMツールは、他のツールやソリューションからのデータを集約し、一元的なダッシュボードでの表示や分析をサポートしています。これにより、組織はセキュリティの状況を一目で把握することができます。
通知の連携
ASMツールは、アラートや通知を他の通知プラットフォーム(例: Slack, Microsoft Teams, メールサーバーなど)に転送することができます。これにより、組織は通知を一元的に管理し、迅速な対応を行うことができます。
ビジュアルダッシュボード
多くのASMツールは、組織のアタック・サーフェースの概要やリスクの状況をビジュアルダッシュボードで提供します。
このダッシュボードを通じて、セキュリティチームはリスクの状況を一目で把握し、迅速な判断や対応を行うことができます。
ASMツールによる報告とアラートは、組織のセキュリティを継続的に評価し、潜在的な脅威やリスクから保護するための重要な手段となります。これにより、組織はセキュリティ上の問題を効果的に管理し、対応することができます。
■ASMの重要性
ASMツールの統合と自動化によって、ASMはセキュリティ対策で重要な位置づけになりました。以下は、ASMツールの果たす役割に基づいて、ASMがどれほど重要であるかを示します:
可視性の確保
ASMツールにより、組織のIT環境内のすべてのアセットが継続的に発見・監視されます。
これにより、組織は自身のアタック・サーフェースの全体像を把握し、未知のリスクや脆弱性を特定することができます。
セキュリティの最初のステップは「何があるのかを知ること」であり、ASMはその基盤となります。
リアルタイムの対応
セキュリティ上の問題や脅威は、時間が経つにつれてその影響が増大します。
ASMツールはリアルタイムでのアラートや通知を提供し、組織が迅速に問題を特定・対応することを可能にします。
変更の管理
組織のIT環境は常に変化しています。新しいデバイスやアプリケーション、設定の変更などが頻繁に行われます。
ASMツールはこれらの変更を継続的にトラッキングし、変更がセキュリティ上のリスクにどのように影響するかを評価します。
統合と自動化
ASMツールは、他のセキュリティツールやIT管理ツールとの統合をサポートしており、情報の一元化やタスクの自動化を実現します。
これにより、組織はセキュリティの課題やリスクを効果的に管理し、迅速な対応を行うことができます。
リスクベースのアプローチ
ASMツールは、検出された脆弱性やリスクの重大度や影響度を評価します。
これにより、組織は対策の優先順位を決定し、限られたリソースを最もリスクの高い問題に集中して対応することができます。
継続的な改善
ASMツールの報告や分析をもとに、組織は自身のセキュリティポスチャの継続的な改善や強化を行うことができます。
総じて、ASMは、組織が自身のセキュリティ状況を継続的に評価・監視し、迅速かつ効果的に対応するための重要な手段となっています。増加するサイバー脅威や脅威の進化に対応するためには、ASMの取り組みが不可欠です。













