Active! mail(クオリティア社製)のゼロデイ脆弱性(CVE-2025-42599)を悪用したサイバー攻撃が2025年4月に発生し、複数の日本企業や組織に深刻な影響を与えています。この脆弱性は、スタックベースのバッファオーバーフローに起因するリモートコード実行(RCE)が可能な重大な欠陥です。CVSS v3スコアは9.8(緊急)と評価され、認証なしでネットワーク経由の攻撃が可能な点が特徴です。細工されたHTTPリクエストを送信することで、攻撃者がシステムの制御を奪い、任意のコードを実行したりサービスを停止させたりできます。 1.ゼロデイ脆弱性とは ゼロデイ脆弱性とは、ソフトウェアやシステムに存在するセキュリティ上の欠陥(バグや設計ミスなど)が、開発元や利用者にまだ知られておらず、修正プログラム(パッチ)も提供されていない状態の脆弱性を指します。この「ゼロデイ(0-day)」という言葉は、開発元がその問題を認識してからユーザーが対策を取れるまでの「猶予期間がゼロ日」であることに由来しています。 2.脆弱性の本質的な仕組み この脆弱性は「スタックベースのバッファオーバーフロー」と呼ばれる仕組みに起因しています。コンピュータのメモリ領域の一部(スタック)に、プログラムが想定していない量のデータを送り込むことで、メモリの境界を超えて不正なコードを仕掛けることが可能になります。 3.社会的な影響範囲の広がり 2025年4月に判明した攻撃では、インターネットイニシアティブ(IIJ)やカゴヤ・ジャパン、WADAXなどの主要事業者が被害を受けました。特にIIJでは、最大400万人分の個人情報流出の可能性が指摘され、最終的に31万件のメールアドレスと586契約の情報漏洩が確認されています。 4.攻撃の兆候を確認する方法 システムが侵害されたかどうかを判断するには、セグメンテーションフォルト(メモリ違反エラー)の発生記録が手がかりになります。これは、プログラムが許可されていないメモリ領域にアクセスした際に発生するエラーで、ログファイル(例:/var/log/messages)に「segmentation fault」や「signal 11」といったキーワードが記録されます。 5.企業が取るべき多層的な対策 即時対応としては、開発元が4月16日に公開した修正版(BuildInfo: 6.60.06008562)へのアップデートが最優先です。ただし、アップデートがすぐに実施できない場合、WAFで「multipart/form-data」形式のリクエストのサイズを制限する暫定対策が有効です。