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「GIGAスクール構想」によって始まる家庭でのインターネットセキュリティ

  • Pipeline Co. Ltd.
  • 2022年2月1日
  • 読了時間: 6分

文部科学省の「GIGAスクール構想」1)とは

コンピュータは私たちの生活の道具となって何十年も経ちました。1990年代からはパソコンがビジネスの現場で普通の事務作業にいたるまで一般的に使われるようになり、家庭でもWindows95の発売とともに爆発的なパソコン・インターネットブームが起き、以前のコンピュータや情報アクセス手段(パソコン通信など)よりも身近な存在となりました。

さらに、コンピュータは小型化、軽量化が進んだことにより、スマートフォンやタブレットといった形になった結果、多くの人たちが24時間365日、常に操作の有無に関係なくインターネット接続した状態で生活するようになり、それまでの生活様式に大きな変化を与えました。


現在、スマートフォンやタブレットの処理速度はパソコンと同等になりつつあり、省電力化も進んでいますが、これは紙と鉛筆を超えつつある道具となることが期待されることにもつながります。

そして、このことは将来的に義務教育での学校においても、特にタブレットは読み書きの道具の新しいスタンダードとなるでしょう。


このような中、文部科学省は「GIGAスクール構想」の実現に向けた事業をスタートしました。目に見える形では、早い学校では2021年2月〜3月くらいから全国の公立小中学校の生徒に一人一台タブレット(多くはiPad)が配布され始めました。

学校教育の情報化を推進するという考えから、デジタル教科書・教材の活用や、プログラミング、情報教育のみならず、様々な教科で情報活用の教育を実施することにより、日本国民の情報活用能力を高めようという目的があります。

さらに、一人一台端末を配布することは、子どもたち一人ひとりに個別最適化された学びを実現したいという目的もあります。



日本の将来の情報活用シーンが変化する可能性

全国の公立小中学校の生徒一人に一台端末を配布し、学校だけでなく、家庭にも持ち込んで学習をすることが想定されています。タブレットの利用方法としては、教科書として使う、様々な教科の授業で調べるために使うだけでなく、調べた結果を他の人に伝えるプレゼンテーション能力を高める授業を行っている学校もあります。


このことにより、現在の小中学生が社会人となり、会社などの組織の意思決定に関わることになる近い将来、日本の一般的なビジネスシーンにおいてもパソコンに替わってタブレットが主体となる仕事の進め方をすることが一般的になる可能性があります。



学校でのタブレット活用

「GIGAスクール構想」実現の準備段階では、各学校はタブレットの選定や授業での活用方法について様々模索する中、新型コロナ対応が重なったことにより、現場の先生はかなりご苦労されたようです。しかし、現在の日本はグローバルな情報化社会に乗り遅れているのではという危惧を持つ人は多く、それは多くの学校の先生も同様に考えており、将来の日本を担う子どもたちが世界に向けて活躍するためには情報教育が最重要という思いは強く、積極的にこの事業を進めようと頑張っています。


文部科学省はタブレットとしてiPadを指定してはいませんが、小中学生のお子様を持つ保護者の方はご存知のとおり、大半の学校がiPadを導入することになりました。そして、早い学校では2021年2月〜3月、遅い学校でも2021年度中にiPadの配布が始まり、授業に取り入れられることになりました。


学校では、インターネットで調べる、動画や写真撮影をして資料をまとめて発表する、学習ソフトをインストールして利用する、といったことが行われつつあります。さらに、高学年の子がiPadの設定を学び、それを低学年の子に伝えるということにより、全端末の設定作業を進める過程においても教育効果を得られる工夫をしている学校もあります。



情報リテラシーをお子様と一緒に高めよう

学校が配布するタブレットは家庭に持ち込んで学習することも想定していますが、このタブレットは生徒本人のみが利用することとなっています。当然、利用目的も学習用途でなければなりません。

タブレット配布と同時に学習ソフトを導入している学校では、家庭学習に利用するため、タブレットを利用した宿題を与える場合もあるでしょう。

さらに、新型コロナのようなウイルスパンデミックの状況によっては、家庭においてオンライン授業が行われるかもしれません。


そのようなことが念頭にあり、インターネットへの接続が必要なことはもちろんですが、家庭に引き込んだ有線回線につながった無線LAN機能を持つインターネットルータ経由で接続することが推奨されています。これには、安定的になるべく大容量の高速通信が確保されることによって、インターネット接続に煩わされること無く学習を進めたい、という意図があります。


GIGAスクール構想
GIGAスクール構想

無線LAN機能を持つインターネットルータの例(ONU+無線LANルータ一体型)


GIGAスクール構想
GIGAスクール構想

無線LAN機能を持つインターネットルータの例(ONU+無線LANルータ分離型)


インターネットに接続するということは、ひと昔のイメージである仮想現実の世界への訪問というものではなく、現実の社会に関わることの一つであることから、社会の負の部分に接する危険性は常にあるというのが現状です。したがって、インターネットセキュリティについては常に念頭に置く必要があります。もちろん、お子様は学校でインターネットセキュリティや最近問題となっているSNSいじめ問題、動画・写真・メッセージの公開におけるプライバシーの重要性などの教育は行いますが、保護者の方もこれに関する知識を身につけておく必要があります。


インターネットルータの機種によってはお子様が使うスマートフォンやタブレット、ゲーム端末からのインターネットアクセスを制限する機能があります。また、端末の機種によっては、端末設定に制限を加えることができるものがあります。回線契約した会社から送られてきたインタネットルータによっては、そのような機能が無いものがあるかもしれませんが、別途機能付きのインタネットルータを入手して、回線接続用ルータに接続する方法もあります。より詳細なインターネットアクセスや端末の管理方法については次回以降に詳しく説明します。


ただし、インターネットアクセス・端末機能制限をすれば万全というわけではなく、インターネット上の情報とどのように便利に接していくかをお子様に教育していかなければなりません。そのためには保護者が情報セキュリティに関する意識を高めておく必要があります。


情報セキュリティに関する危険は例えば、詐欺・詐欺的情報、反社会的情報、その他違法・有害な情報、差別やいじめ、プライバシー侵害、不正ソフトウェアが意図せずインストールされる、などが存在します。さらに、スマートフォン・タブレットは情報の取得や書き込みはとても簡単であり、常に端末が手元にある状態であることから、うっかり加害者になってしまうこともあり得ます。


しかし、危険だからといって全くインターネットにアクセスをしないということでは、生活が成り立ちにくくなっています。便利な道具は、扱い方を誤ると危険があるということは昔から当然のことであり、正しい方法で利用することによって利便性を受けることができるものです。これはインターネットにアクセスして情報を利用するということに関しても同じことだといえます。

いわゆる、情報リテラシーを高める努力が必要です。それはGIGAスクール構想が実現されることにともない、どの保護者もまずは自分自身が行う必要が急務なものとなってきています。



参考

1)文部科学省「GIGAスクール構想の実現について」https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm


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